オシロスコープ基本オシロスコープ波形の説明

2.1 ポイント式点火システムは,新しい電子点火システムの登場にもかかわらず、未だに自動車にとって最も一般的なシステムです。又,点火システム点検の際に重要と思える用語についても説明していきます。
ポイント式点火システムの構成
図23
図23はポイント式点火システムの構成部品と配線図を示しています。1・2章の説明に使った図と若干の違いがありますが,実際の自動車の場合には,コスト的な理由により、アースはボディーの金属部分になされ、点火コイルの2次巻線の一端は1次巻線に接続されています。前の図とこの実際の図はほんど同じものと考えてよいでしょう。
又,図23には1次波形(1)2次波形(2)を得る為の接続個所も示してあります。この一般的なコイル点火システムには次に説明する様な仕様の違うシステムもあります。
ダブル点火コイルシステム
図24
2気筒エンジン(シトロエノ2CV・モーターサイクル)には,双方の点火プラグに,同時に点火電圧を供給してディストリビューターを省いている例が,しばしは見られます。
(図24)2本のスパークプラグは,常に同時にスパークしています。つまり、一方のプラグは混合気に点火し、もう一方は排気行程中にスパークしているわけです。次の回転の時はそれぞれのスパークプラグは反対の状態でスパークしています。
2個以上の点火コイル・ポイントを持つ点火システム
図25
以前は・高回転の6あるいは8気筒エンジンには,効率の良い確実な点火を保証する為に,シリンダーの半分にそれぞれ働く2個の点火コイルと2個のポイントを備えたシステムが良く用いられました。最近ではこの様な目的には電子点火システムが用いられます。
外部抵抗器つきポイント式点火システム
図26
外部抵抗器つきポイント式点火システム・ディストリビューターのポイントが閉じた時,誘導の法則にある様に,1次電流は一定の時間か経過するまで、その最大値に達しません。高回転のエンジンにとっては,高い回転数でも充分な点火エネルギーが得られる様に、この経過時間が短ければ短い程いいわけです。この為には低いインダクタンスと高い1次電流をもったコイルが必要とされます。高性能の点火コイルは太い銅線で、少ない巻数によって、抵抗とインダクタンスを感じていますが、点火コイルのオーバーロード、による過熱を防ぐ為1次電流を許容値に制限する外部抵抗器が必要となります。この外部抵抗器は始動性を良くする為に、始動時にはバイパスされなければなりません。つまり始動時にバッテリー電圧が落ちている時でも充分な1次電流と点火エネルギーが供給される様にするわけです。(図26参照)
次に、点火プロセスの各位相と正常なオシロスコープ波形について説明しましょう。この後の章では、1次波形と2次波形をわけて説明していきますが、2次波形の方が利用される度合が多い為、後者をまず説明していきます。これから例として取り上げる正常なオシロスコープ波形は,サプレッサーを備えたシステムのものです。正常波形と実際では若干の差はあるものですが、基本的な性格は同じです。
オシロスコープの有効な使用と異状波形の診断には色々な点火システムの標準波形の完全な把握が必要です。