インジェクター
機能

インジェクターは、 電子制御式の電磁バルブです。 コントロール ユニットは、 正確な量の燃料をインジェクターから噴射します。 この正確な量の燃料に空気を加えることよって、 必要な空燃比の混合気が生成されます。 エンジン マネージメント システムの種類によって異なりますが、 インジェクターは、 各シリンダーごとに 1 個(マルチポイント システム)、 あるいは全シリンダーに対して 1 個(シングルポイント システム)のいずれかの構成で使用されます。

シングルポイント式フューエル インジェクション システム

シングルポイント式フューエル インジェクション システムでは、 中央に配置された 1 個のインジェクターを用いて、 必要な空燃比を生成します。 インジェクターは、 スロットル ボディに取り付けられ、 スロットル頂部に燃料を噴射します。 燃料は、 フューエル ポンプによって吐出され、 スロットル ボディに取り付けられたフューエル プレッシャー レギュレータによって、 一定のレベルが維持されます。 シングルポイント式システムにおけるフューエル プレッシャーは、 通常 0.6 〜 1.2 bar の範囲です

マルチポイント式フューエル インジェクション システム
マルチポイント式フューエル インジェクション システムでは、 各シリンダーごとに 1 個のインジェクターが使用されます。 インジェクターは、 インテーク マニホールドに取り付けられています。 燃料はインテーク バルブに向かって直接噴射されます。 燃料はフューエル ポンプによって吐出されます。 インテーク マニホールドの空気圧とフューエル プレッシャーとの差圧は、 フューエル プレッシャー レギュレーターによって一定レベルに維持されます。 そのため、 インテーク マニホールド内の圧力が上昇すると、 フューエル プレッシャー レギュレーターは、 フューエル プレッシャーを上昇させます。 マルチポイント式システムにおけるフューエル プレッシャーは、 通常、 2 〜 3 bar の範囲です。 フューエル プレッシャー レギュレーターは、 フューエル ギャラリーに取り付けられています。

シーケンシャル フューエル インジェクション
シーケンシャル フューエル インジェクションは、 マルチポイント システム方式で各シリンダーごとに空燃比の制御および燃料噴射時期の制御を行います。 シーケンシャル インジェクション システムの各インジェクターは、 コントロール ユニットによって個別に制御されます。

ボトム フィードおよびトップ フィード インジェクター

インジェクター フューエル インレットは、 上部側あるいは下部側に配置することができます。 通常、 ボトム フィード インジェクターは、 シングルポイント式フューエル インジェクション システムで使用され、 トップ フィード インジェクターは、 マルチポイント式フューエル インジェクション システムで使用されます。
インジェクターの仕様抵抗値:
高い方の抵抗値: +/- 15 Ohm
低い方の抵抗値: +/- 0.5 - 2.5 Ohm
流量: +/- 50 - 200
電源電圧: 1 - 12 V
電流: +/- 0.75 A
電気制御

インジェクターの電気特性は、 内部コイルによって決定されます。 電流がコイルを流れると、 インジェクター ニードルがスプリング力に逆らって引き上げられ、 燃料は勢いよく噴射されます。 2 種類のインジェクター コイルが使用されています。 通常のコイルの抵抗値は約 15 Ohm です。 その他のインジェクション システムでは、 もっと抵抗値の低いコイルが使用されます(約 1 - 2.5 Ohm)。

低い抵抗値のインジェクターは、 次の 2 種類の異なる方法で作動させることができます:

  • 電流を制限するために、 特殊な外部抵抗を用いる。

  • またはコントロール ユニット内部の電流制限回路を用いる。

オシロスコープ画像 A は、 高い抵抗値のインジェクターか、 または外部抵抗が装着された低い抵抗値のインジェクターで測定された電圧信号を表しています。

オシロスコープ画像 B および C は、 低い抵抗値のインジェクターで使用される 2 種類の異なる電流制限回路を表します。

                    

1 個のインジェクターには 2 ピンの電気コネクターが装着されています。 片方のターミナルはバッテリー電圧に接続されています。 この電源電圧は、 たいていの場合リレーを経由してインジェクターに供給されています。 もう一方のターミナルはコントロール ユニットに直接接続されています。 インジェクターからの電流は、 コントロール ユニットがこのターミナルをアースに接続している間は、 オンに切り換えられます。 このときのターミナル電圧は 0 V です。 インジェクターに接続されていない場合のターミナル電圧は 12 V です。
電気系統の診断スタティック

この測定は、 出力をインジェクターに供給するリレーを閉じてから行います。 必要に応じて、 リレーのスイッチをショートさせます。 この時に 1 個ずつインジェクターのテストを行います。 並列に接続されているインジェクターのコネクターを外します。

測定

コントロール ユニットの電圧を測定します。 インジェクター電流をスイッチングするターミナルを使用します。

測定結果

12 V

  • インジェクターおよび配線は電気的に正常です。

0 V

  • リレーが出力をインジェクターに供給するか点検します

  • リレーとインジェクター間の配線を点検します

  • インジェクターの抵抗値を点検します

  • インジェクターとコントロール ユニット間の配線を点検します

  • コントロール ユニットを点検します。

ダイナミック

すべてのインジェクターを接続します。 エンジンを始動し、 オシロスコープを用いて、 インジェクター電流をスイッチングさせながら、 コントロール ユニットのターミナル電圧を測定します。

測定結果

0 V

  • スタティック テストを実施します。

12 V

  • コントロール ユニットがインジェクターをスイッチングさせることができません。

機械系統の診断

フューエル システム プレッシャー を点検します

  • インジェクターに漏れおよび汚れがないか点検します

  • ボトム フィード インジェクター: インジェクターとスロットル ボディ間のシールを点検します

  • マルチポイント システム: フューエル プレッシャー レギュレーターとインテーク マニホールド間のホースを切り離します。 フューエル プレッシャー レギュレーターから燃料の漏れがあってはなりません。


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